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【雑記】目に見えないモヤモヤの正体

優れた小説家は誰しもが感じる目に見えないモヤモヤしたものに、言葉を通して輪郭を作り名前を与える。


これは山田詠美さんが芥川賞の評論で記していた言葉ですが、まさにそうだと思うのです。(うろ覚えなので言葉はこの通りではありません。ニュアンスだけ伝えられたらと思います)


言葉にできないモヤモヤをずばり的確に表現してくれると、すっきりした心地よさがあります。確かにそれまでも存在していたけれど、誰しもが言葉にできなかったこと。それを言語化できる小説家の技術はやはり才能と努力の賜物というほかないのかもしれません。


さて、私事ですが同様にここ1年ほど、言葉にできないモヤモヤが心の内にありました。


そのモヤモヤの正体が一体何なのかわからないものの、確実にわたしの行動に悪い影響を与えていました。


何かをする意欲を感じることができないのです。


家事をすること、食事をすること、眠ること、好きな人に会うこと。


生きるために必要なことプラス好きな人に会うこと以外、全てのことに対しての意欲が削がれているような感覚です。


あれほど好きだった仕事にも意欲を感じることができず、身体は元気だけれど心は死んでいました。


でも何故そうなってしまったのか、この状態を打破するためにはどうしたらいいのか。自分でも全くわかりませんでした。


自分が自分ではないような感覚がありましたが、救いを求められる人もおらず、1人で答えを探そうと必死でしたが見つかることはありませんでした。死んでしまったほうが楽かもしれないと思ったこともありました。


しかし、ここにきてようやくその正体がわかりました。何故こうなってしまったのかの理由がわかったのです。


理由はわかりました。だからといってわたしの心がすぐに元気になるということはありません。時間をかけてゆっくりと削られしまったのを取り戻すのは同じように時間がかかります。


それでも、得体の知れないモヤモヤの正体がわかって少しスッキリしました。


今の自分があるのは結局、過去の自分の延長線なので誰も責めることはできません。でも今は少しでも早く平穏に過ごしたいという気持ちでいっぱいです。


幸いなことに励まし、支えてくれる友人がいます。本当に大事な友人。彼に心からの感謝を込めて。