映画レビュー 怪しい彼女
ただただ多部さんが可愛かった。それだけで見る価値ありである。もちろんストーリーもフィルマークスで高評価を得ているだけはある。
大まかなストーリーはこうだ。
苦労ばかりしてきた老人のせつこがある日、親子喧嘩がきっかけで、やりたいことをやるのだと、家を飛び出してしまう。そしてひょんなことから突然若返ってしまう、、。
ここまで見て、あーこれはあれやと思った。インド映画のきっとうまくいくに似てるなと。
きっとうまくいくも流行ったし、高評価の映画だ。所々コメディ要素もありながら、生きたい人生を生きる喜びを描いている。どことなくアバウトタイムも似てるかもしれない。アバウトタイムも主人公がタイムスリップを繰り返しながら、望む人生を実現させようという話だ。
ここまで考えてはっとした。この3つとも全て比較的評価の高い映画だ。そしてこの3つとも形は違えど、生きたい人生の生きようとする話だ。
この共通点はきっと偶然じゃない。この手の映画は比較的ヒットしやすい。誰の目から見てもいい話だからだ。言い換えれば、多くの人は生きたい人生を生きらておらず、やりたいことを実現させるようなストーリーに憧れを持ったり、現実逃避しているのではないか。
特に年齢を重ねれば重ねるほど、全うしなければいけない責任、役割が大きくなる。身動きが取りにくくなるのだ。
映画の中で多部さんはバンドで活動することになったけど、普通70のおばあちゃんがバンドデビューすることは難しい。
あれ、と思った。
もし仮にこの仮説が正しいとしたら、多くの人は望むことのいくつかを諦めながら生きているのかと。いや、私もそうだし、むしろそうせざるを得ないのだ。
何かを得るためには、何かを捨てなければならないという言葉を聞いたことがある。
人生の中で1番失いたくないもの、
ある程度捨てても良いもの。
その見極めが、生きたい人生を生きるために重要なのかもしれない。
多部さんも映画の最後はしっかりと自分の意思を貫いていた。そんなことを考えさせられる映画でした。