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映画「君の名は。」を見て思い出す、名前を知らない相手への恋心

今週のお題「恋バナ」


君の名は。を見て、ふと思い出した恋の話。


いまはSNSがあるので、連絡先がわからない相手でも名前検索とかで見つけて連絡を取ろうと思えば取れるものです。しかし、名前がわからない相手についてはこのご時世、SNSを使っても見つけられないのです。


あれはわたしがまだ高校生のころのことです。わたしは当時、京都に住んでいました。


わたしが通う高校の前には、某有名私立高校のグラウンドがありました。


某私立高校をA校としましょう。その高校は

府内屈指の進学校でしたが、スポーツにも力を入れており、強豪クラブが多数ある男子校でした。


学校の場所自体は、わたしの高校から電車で30分ほど離れた場所にあるのですが、第2グラウンドという位置付けで、何故かわたしの高校の目の前にもグラウンドがありました。その第2グラウンドは主にサッカー部が使用しているようで、放課後になるとA校から電車に乗ってサッカー部たちがやってきていました。


一方、わたしが通う高校はあまり頭の良くない商業高校でA校との接点といえば、目の前にA校のグラウンドがある、ただそれだけで生徒間の交流もほぼありませんでした。


そんなある日、まだわたしが高校1年だったころ、所属している部活動が終わり、友人たちと駅のホームで電車を待っているとA校のサッカー部も丁度部活終わりのようでやってきました。もちろん、わたしたちとA校サッカー部たちに会話はありません。


程なくして、電車がやってきました。わたしは終点の国際会館という駅が最寄りだったので、いつものように友人たちは先に降りて1人で座っていました。


「急にごめん、俺の友達が君の連絡先知りたいって言ってるねん。教えてくれへん?」


急に声をかけられ、顔を上げるとA校サッカー部の子でした。驚きながらも当時交際している人がいたので、お断りすると


「それはしゃーないな。ところでどこに住んでるん?」


彼はわたしの隣に座り、そこからなんとなくお互い1人だったこともあり、住んでる場所や学年の話をしました。彼は同い年で、わたしの降りる駅から3つほど離れた北大路という駅が最寄りでした。


「ほなまた」


彼が先に降りるとき、そう声をかけてくれました。それから月に一度程度、電車に乗るタイミングが同じになり、その度に雑談をする間柄になりました。


そして、なんだか少しずつ気さくな彼のことが好きになっている自分がいました。恋をすると不思議なもので、会えれば舞い上がってしまい、いつも名前を聞くのを忘れてしまうのです。次こそは次こそはと思いながら、楽しい時間はあっという間に過ぎて、名前を聞けぬまま彼が降りる北大路に着いてしまうのです。


いつも電車に乗るときは彼がいないか楽しみにしていたものです。しかし、高校三年になり、お互い部活を引退し、電車で一緒になることはありませんでした。


それでもいつか縁があれば、また会えると思っていました。事実、大人になり連絡先がわからず疎遠になってしまっても、会いたいと思った人にはSNSをとおしてまた会うことができました。


しかし、名前を知らない。共通の知人もいない。通っていた学校しかわからない。そんな状況ではSNSを使っても彼に辿り着くことはできないのです。


あれほど覚えていた顔も時が経つにつれ、おぼろげになってきました。いまは風貌も変わっているだろうし、またどこかで会ってもお互いわからないかもしれません。


あのとき、名前を聞いていればよかった。そうすれば状況は変わっていたかもしれません。


別にまた会ってどうこうしたいというわけではないですが、高校3年間思いを寄せた相手がどこの誰だったのか知る由がないのはあまりにも、寂しいと思うのです。


もし、またどこかで会えることができたなら言いたいと思います。


「君の名は?」


って、やかましいわ!

ちょっと気持ち悪い終わり方になってすみません。。!当方、当時バトン部でした。心当たりある方はぜひ連絡を!