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オススメ児童文学作家 岡田淳の作品が面白い!

ハリーポッターと呪いの子を買った。さすがである、めちゃくちゃ面白い。


そこでふと子供の頃、夢中になって読んだ児童文学を思い出した。この本に出会って私の人生は変わったと言っても過言ではない。出会ったその日に面白さに取り憑かれ、その日から私は読書大好き文学少女になったのである。


私の運命の一冊

岡田淳著 「放課後の時間割 」


あらすじ

小学校で図工の教師をしている主人公がある日、放課後図工室に向かう途中、猫が奪い合っていた人形を拾う。しかし、それは人形ではなくねずみだった。そのねずみは言葉を喋り、自らを学校ねずみと名乗る。その日から学校ねずみは放課後になると図工室を訪れ、実際に過去起こった学校にまつわる不思議な話を主人公に語るようになる。学校ねずみが主人公に語る話を短編のオムニバス形式でまとめられている。


この本は小学生の頃、塾で教材として配布されたものだが、あまりの面白さに夢中になった。


誰もいなくなった放課後の図工室で描かれる学校ねずみと先生の2人の時間が、日常の中にするりと入り込んでくる魔法のようで、不思議さとリアリティが絶妙に混在している独特の世界観に心を鷲掴みされた。しかもねずみが語るどの話も綺麗で幻想的だった。


そんな物語の内容もさることながら、岡田作品の魅力はリアルさと画力にあると思う。


当時の私はそれなりに他の児童文学も読んでいたが、作者の岡田さんが描く世界は他のどの作家とも違っていた。あまりにも学校の描写がリアルなのである。


岡田さんは作家をしている一方、小学校で図工の先生もされていた。だからだろうか。岡田さんの作品にはその当時の小学校がそのまま等身大の姿で描かれているのである。卒業して何十年と経った人が記憶やイメージを頼りに描く小学校や小学生ではなく、まさにリアルな学校がそこにはあった。そのリアルさは読者を本の世界にいざなうには充分であり、当時夢中になった理由のひとつでもある。


また、図工の先生というだけあり、挿絵も岡田さん自身がされている。さすが図工の先生というだけあり、パッと目を引くうまさがある。岡田さんのイメージがそのまま絵として描かれているので、読者は文章に描かれている世界をそのまま目にすることができる。また、文章の筆力も相まって絵がない部分も頭の中に映像がふわりふわりと広がっていくような感覚で読み進めることができるのだ。


物語の終盤には学校ねずみが何者であるのか、謎も明かされる。何故彼は学校にいて、何故主人公に学校の話を語るのか。


その理由を知った時、胸が締め付けられるような切ない思いがした。学校にいるねずみは大切にしたい、そんな風に思わせる切なくて愛おしい秘密が最後に明かされる。


ハリーポッターやモモなど、世界的に有名な児童文学はたくさんある。しかし、日本の小学生にはこの本も読んで欲しい。もしかしたら、私のようにこの本が運命の一冊になるかもしれないから。それほど虜にしてしまう魅力がたくさん詰まった一冊だ。